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壁の花

いっくんは、一年程前から、地域の乳幼児クラブに週一回通っている。

大勢の同年代の子供の中にはいると、いっくんはおとなしい方で、「さあ、みんなでアンパンマン体操をしましょう」などという時も、呆然とつっ立っているらしい。始めのうちは、「家でテレビを見せないからね。知らないものはできないわよね。」などと言っていたのだが、どうやらそうではないということがだんだんわかってきた。
ただ突っ立っているだけではなく、両手を背中に回してやりたくない意思表示をしたり、みんなの輪からはずれて眺めていたりするようになったのだ。時には、「ママだけ行っていらっしゃい。僕はここで待っているよ。」というしぐさまでするらしい。(越路吹雪の「ラストダンスを私に」じゃあるまいし)

その話を聞いているうちに、私の脳裏によみがえってきた一枚の写真がある。遊び場の友達を柱に寄りかかって見ている女の子…妹の幼稚園時代の写真だ。内弁慶で、みんなの中に入るよりは眺めていることの多かった妹のことを「M子ちゃんは壁の花なのよ」と母が言うので、小学生の私は壁の花という言葉を覚えたのだった。

「今日もいっくんはみんなのことを見ているだけだった」という妹に、「ママそっくりの坊やね」と微笑んでしまうおばかなおばである。
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Be polite

ここ一と月くらいだろうか、いっくんは「どうじょ(どうぞ)」と言うようになった。
ソファーなどの自分の隣をさして、「どうじょ、どうじょ、すわって」という。
手のひらを上に向けて指し示す動作つきだ。うむ、なかなか。

大人は普段、子供に向かって丁寧語を使わないので、いっくんは「どうじょ」の次に「いいよ」という言葉も覚えた。
(これがまた、私の父そっくりの言い方をするので笑ってしまうのだが)
「いぃーりょー(=いいよ)」とぞんざいに言われてむっとした〔大人気ない〕オバさんが「いぃーりょーって何のこと」ととぼけると、「どうじょ」と言い直す。
へぇぇ、同義の表現という認識があるんだなぁと感心しつつ、同じ事を繰り返していたら、とうとう「いぃーりょー、どうじょ」とまとめて言われてしまった。

先日、いっくんとふたりで居間から廊下に出ようとしたときのこと。最近ノブに届くようになって嬉しくて仕方のない彼はドアを開け、一歩外に出てから「どうじょ、さき(に)行って」と道を譲ってくれた。
おぉぉぉ!!素晴らしい、レディファーストね。
(実は、自分でドアを閉めたいだけだったのだが)

将来ジェントルマン間違いなしと、おばかなおばはほくそ笑むのだった。

地団駄

先日、妹が風邪をひいていっくんをお風呂に入れられない日があった。

ここは出番とじぃじ(実家の父)が大張り切り。
「今日は、じぃじと入ろうね」「じぃじ」「お風呂に入るよ」「じぃじ」などという会話を交わしつつ準備をすすめ、じぃじは湯船でスタンバイ、いっくんもすっぽんぽんになって、いざというその瞬間。
「まぁま」、ポツリと言っていっくんの口がみるみるへのじになった。
そのあとは、ひたすら「まぁま」といいながら泣き喚くばかり。
「寒いから肩まで浸かりなさい」と言えば、湯船に肩まで沈みながら、真四角な顔で泣きつづけている。
じぃじは、「今日はもう洗わなくて良いから、もう上がりなさい。」とギブアップ。そこで私は湯上げタオルに泣き喚く幼児をくるんで部屋へと抱いていった。
ところが、床に降ろすやいなやいっくんは、泣きながらお風呂場に走り戻ってしまった。今度は「アワアワ、アワアワ」と泣き叫んでいる。どうやら身体を石鹸で洗いたいようだ。
しかたなく「アワアワするなら、じぃじとするのよ。」と言い聞かせると、「まぁま」と言いながら泣き叫ぶ。
再びじぃじが「湯冷めするから、向こうへ連れて行きなさい」と命令。私はいっくんを湯上げタオルにくるんでまた走った。
凝りもせず「アワアワ、アワアワ」と泣きながらお風呂場に走り戻るいっくん
「お風呂はもうお終いにして、ママとねんねしましょう。」「アワアワ、アワアワ」「アワアワなら、じぃじと一緒よ」「まぁま、まぁま」「どっちか選びなさい」
そしてとうとう、「我が侭は何でも聞いてやらないと、子供の性格がゆがむ」と(←大間違い)日頃は言い切るじぃじが、「どうしようもない日もあるんだから、我慢しなさい」とひとこと。結局いっくんは、「じぃじとアワアワ」を選択したのだった。
ひくひくしゃくりあげながら、じぃじに髪も身体も洗ってもらい、それなりに機嫌を直してお風呂から上がってきたいっくんだった。

思い通りにいかずに地団太を踏むすっぽんぽんの幼児。泣き顔も可愛いなぁと、この騒ぎのさなかも、おばかなおばはにんまりしていたのだった。

三語文

妹の家に子供が生まれて、初めて身近に赤ん坊→幼児に接することになった。
ただ見ているだけではもったいないので、おばかな成長記録を書くことにした。
甥っ子いっくんは、この三月で二歳四ヶ月。


「ん~~?」ばかり言っていたいっくんも、だんだんお話ができるようになってきた。
単語から文への過程に「三語文」というのがあるそうだ。
私がはじめて聞いた(おそらく本当に初めて)の三語文は、「ばー、ぷーん、まめ」。昨年末くらいのことだと思う。
意味は「おちゃま、スプーンで、を食べさせて」。
この頃は、名詞が並んでいるだけだったが、間もなく、「じぃじ、ぐうっ、まわっ」などと言うようになった。
意味は、「じぃじ、(公園の入り口から)ぐるっと、まわって(こっちに)来て」。
なるほど、なるほど、動詞に擬態語もくっついていて、だんだんまっとうな感じになってきたじゃないか。
おばかなおばは、こっそり目を細めたのだった。
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Author:daifuku
新米「ばぁや」、大奮闘の巻…
そんな感じの毎日です

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