いっくんは最近「ママは こないで」と言う。
たとえば、
「パパと ダイエー(スーパー)に いってくるから。ママは こないで」という具合だ。
ママでなければ絶対にだめなこともあるが、両手で拒否されるとママはちょっと傷ついてしまう。
ママの膝に座ったいっくんが、ママにぎゅっっと抱きついていた。
美しい母子の姿がうらやましくて、「おばちゃまのお膝にもいらっしゃい」と誘っても、「いかない」とにべもない。
ミニカー入れのバッグを取りに行っても、またママの膝に戻ってぎゅっっと抱き合っている。バッグからミニカーを出してあちらこちらに置いても、またママの膝に戻ってぎゅっっと抱き合っている。
いっくんとの間に挟まっているミニカーバッグを気にしつつも、ママはちょっと得意そうな笑顔だ。
いいなぁと思って見ていると、なにやら小さな声で言っているのが聞こえてきた。
「ぶるん ぶるんぶるんぶるん」
そのときママがはっと気づいた。
「いっくん、ママはバイクなの?」
「うん」
そして再び
「ぶるん ぶるんぶるんぶるん」
とバイクを走らせ、
「ききっ」
とママの腕をつねって、スイッチを切りバイクを止めた。
たとえ乗り物扱いでも、あんなにぎゅっっと抱き合えるのなら、うらやましいお馬鹿なおばである。
たとえば、
「パパと ダイエー(スーパー)に いってくるから。ママは こないで」という具合だ。
ママでなければ絶対にだめなこともあるが、両手で拒否されるとママはちょっと傷ついてしまう。
ママの膝に座ったいっくんが、ママにぎゅっっと抱きついていた。
美しい母子の姿がうらやましくて、「おばちゃまのお膝にもいらっしゃい」と誘っても、「いかない」とにべもない。
ミニカー入れのバッグを取りに行っても、またママの膝に戻ってぎゅっっと抱き合っている。バッグからミニカーを出してあちらこちらに置いても、またママの膝に戻ってぎゅっっと抱き合っている。
いっくんとの間に挟まっているミニカーバッグを気にしつつも、ママはちょっと得意そうな笑顔だ。
いいなぁと思って見ていると、なにやら小さな声で言っているのが聞こえてきた。
「ぶるん ぶるんぶるんぶるん」
そのときママがはっと気づいた。
「いっくん、ママはバイクなの?」
「うん」
そして再び
「ぶるん ぶるんぶるんぶるん」
とバイクを走らせ、
「ききっ」
とママの腕をつねって、スイッチを切りバイクを止めた。
たとえ乗り物扱いでも、あんなにぎゅっっと抱き合えるのなら、うらやましいお馬鹿なおばである。
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この年末からいっくんは、I市のじぃじに電話をするのが日課になった。
初めのころはママが読み上げる数字のボタンを押していたが、最近ではメモを横に置いてそれなりのスピードでピポパポとかけている。
電話で話すのも、とても上手になってきた。
私が外出先から電話をかけると、夕方なら三割くらいはいっくんが電話を取る。
「いま どこ」
「どうやって かえってくるの」
「でんちゃで あしょんでる とこ」
などとひとしきり会話を交わした後、伝言があればおしえてくれる。
先日のはこうだった。
「おじちゃま ごはんたべてくる でちゅってよ
じぃじが おでんわで おっちゃってた」
(父と同じ会社に行っている主人が今日は一緒に帰らずに、誰かとご飯を食べてくると父が電話をかけてきた。)
じぃじ(私の父)曰く
「そこらの若者より、よっぽどちゃんと電話で話せるなぁ。会社の若い連中にも見習わせたいよ。」
じじ馬鹿もいい加減にしたほうがいいんじゃないと思いながらも、頬が緩みっぱなしのお馬鹿なおばなのだった。
初めのころはママが読み上げる数字のボタンを押していたが、最近ではメモを横に置いてそれなりのスピードでピポパポとかけている。
電話で話すのも、とても上手になってきた。
私が外出先から電話をかけると、夕方なら三割くらいはいっくんが電話を取る。
「いま どこ」
「どうやって かえってくるの」
「でんちゃで あしょんでる とこ」
などとひとしきり会話を交わした後、伝言があればおしえてくれる。
先日のはこうだった。
「おじちゃま ごはんたべてくる でちゅってよ
じぃじが おでんわで おっちゃってた」
(父と同じ会社に行っている主人が今日は一緒に帰らずに、誰かとご飯を食べてくると父が電話をかけてきた。)
じぃじ(私の父)曰く
「そこらの若者より、よっぽどちゃんと電話で話せるなぁ。会社の若い連中にも見習わせたいよ。」
じじ馬鹿もいい加減にしたほうがいいんじゃないと思いながらも、頬が緩みっぱなしのお馬鹿なおばなのだった。
私はそろそろ老眼が気になりつつあるのだが…
いっくんの爪が伸びてきたので切ろうとしていた。
ひざの上に抱き上げたのだが、ごそごそ動いて切りにくい。
「こら、切れないじゃないの。」
と注意したところ、
「めがね はじゅちたほうが いいんじゃないの」
と言われてしまった。
問題はそこじゃないのよ。ぷんすか
いっくんの爪が伸びてきたので切ろうとしていた。
ひざの上に抱き上げたのだが、ごそごそ動いて切りにくい。
「こら、切れないじゃないの。」
と注意したところ、
「めがね はじゅちたほうが いいんじゃないの」
と言われてしまった。
問題はそこじゃないのよ。ぷんすか

おやつにおせんべ(一枚)とクッキー(一枚)を食べていたいっくんが、気づくと椅子を降りて、洗濯物を取り込んでいるママの所まで来てしまっていた。
「ちゃんと座って食べなきゃだめでしょ。食べている最中にうろうろしないのよ。」
と言うママを つぶらな瞳で見上げていっくんは答えた。
「おちぇんべ(ひとくち)ぱえて、クッキー(ひとくち)ぱえて、ママのおかお みにきたの」
(ぱえて=食べて)
ママはそれ以上怒れなかったそうだ。
「ちゃんと座って食べなきゃだめでしょ。食べている最中にうろうろしないのよ。」
と言うママを つぶらな瞳で見上げていっくんは答えた。
「おちぇんべ(ひとくち)ぱえて、クッキー(ひとくち)ぱえて、ママのおかお みにきたの」
(ぱえて=食べて)
ママはそれ以上怒れなかったそうだ。
- 2007-01-11 :
- ことば
いろはカルタ その後
私があげたいろはカルタは、どうやらいっくんのお気に召したらしい。
一番のお気に入りは「鬼に金棒」で、絵札の赤鬼に一目惚れの様子だ。
もちろん「犬も歩けば棒にあたる」や「花より団子」も言えるようになった。
そこで今日は「頭隠して尻隠さず」を教えてみた。
早速ママにご披露しようと思ったら、「あたま かくちて おちり かくちゅ」と大きな声で言った。
もうちょっとだ、がんばれ。
一番のお気に入りは「鬼に金棒」で、絵札の赤鬼に一目惚れの様子だ。
もちろん「犬も歩けば棒にあたる」や「花より団子」も言えるようになった。
そこで今日は「頭隠して尻隠さず」を教えてみた。
早速ママにご披露しようと思ったら、「あたま かくちて おちり かくちゅ」と大きな声で言った。
もうちょっとだ、がんばれ。
おしゃべりに、ぐっと磨きかかってきたいっくんを見ていて、ふと思い出した。
三歳を目の前にした、秋の初め頃だったろうか、ママにこう言ったそうだ。
「ママも、パパやいっくんみたいに、もう少し大きくなったら、せいそうしゃ(清掃車)にのせていただけるといいねぇ。」
文が捩れてはいるものの、幼児にしてはかなりまともな長文だ。しかし何の意味もない。
「こういうのは、ナンセンスな文っていうのかしら? それともシュール?アバンギャルド?」
友達に真剣に相談してみた、お馬鹿なおばであった。
ちなみに、言葉の使い分けのちゃんとしたその友人曰く
「アバンギャルドじゃないかしら」
三歳を目の前にした、秋の初め頃だったろうか、ママにこう言ったそうだ。
「ママも、パパやいっくんみたいに、もう少し大きくなったら、せいそうしゃ(清掃車)にのせていただけるといいねぇ。」
文が捩れてはいるものの、幼児にしてはかなりまともな長文だ。しかし何の意味もない。
「こういうのは、ナンセンスな文っていうのかしら? それともシュール?アバンギャルド?」
友達に真剣に相談してみた、お馬鹿なおばであった。
ちなみに、言葉の使い分けのちゃんとしたその友人曰く
「アバンギャルドじゃないかしら」
わたしからいっくんへのお年玉は「江戸いろはカルタ」だった。
いきなり全部を広げるのは無理なので、簡単そうなものを五枚ほど選んで並べてみた。
「いぬも あるけば ぼうに あたる」などと、わかりやすくゆっくりと読むと、ちゃんと絵札をとることができる。
よしよし、もう少し絵札を増やしてみるかなと思うまもなく、いっくんに字札を奪い取られた。
今度は自分が字札を読む番というわけだ。
「おはにこと なそとてまくに ちゆもこて かくのそお けかむことわお たまねもこ… って、どぉれだ。」
滑舌良く大きな声で言っては大人達に絵札をとらせようとするのだが、何のことやらさっぱりわからない。
それでもなんとなく七五調になっているのが可笑しかった。
子供って、面白いなぁ。
いきなり全部を広げるのは無理なので、簡単そうなものを五枚ほど選んで並べてみた。
「いぬも あるけば ぼうに あたる」などと、わかりやすくゆっくりと読むと、ちゃんと絵札をとることができる。
よしよし、もう少し絵札を増やしてみるかなと思うまもなく、いっくんに字札を奪い取られた。
今度は自分が字札を読む番というわけだ。
「おはにこと なそとてまくに ちゆもこて かくのそお けかむことわお たまねもこ… って、どぉれだ。」
滑舌良く大きな声で言っては大人達に絵札をとらせようとするのだが、何のことやらさっぱりわからない。
それでもなんとなく七五調になっているのが可笑しかった。
子供って、面白いなぁ。